努力は報われる?
OB 德永響インタビュー

筑紫丘高校ラグビーがくれた人生の宝物

高35回卒 德永 響
(九州大学3年生:あ(弁護士、令和6年度福岡県弁護士会会長・
令和8年度日本弁護士連合会副会長)

ラグビーを始めた時期・きっかけは?

筑紫丘高校ラグビー部との出会いは、まだ高校の受験勉強をしていた昭和54(1979)年秋の全国大会(花園)福岡県予選決勝のテレビ中継です。自分が受験しようと考えている筑紫丘高校が福岡高校に圧勝し、初の花園切符を手にした試合を目の当たりにしました。その日以来、高校に合格しラグビー部に入ることが目標になりました。

首尾よく高校に合格できたものですから、それこそ入学してすぐにラグビー部の門を叩き、今の人格の8割を作った筑紫丘高校ラグビー生活が始まりました。

高校時代一番の思い出は?

当時、筑紫丘が花園に毎年出られるほど他校との実力差はなく、期待されながらも県大会の準決勝(1年次)や決勝(2年次)で敗退し、ほぞを噛む思いで2年を過ごしました。それこそ、花園に行くことにつながるならなんでもやる決意で最上級生になり、本当にもうこれ以上できないと思うだけの練習に励みました。

夏合宿を経て、秋が深まるに連れて「十分に戦える」と自信を持って県大会予選に  臨んだのですが、準々決勝でその年も花園に出場した福岡高校に3対4の後半逆転負けを喫します。

当時、これだけ努力しても花園に行けなかったのだと思うと、「先達がいう『努力すれば報われる』って嘘だな、もちろん努力は必要だけど、必ず報われるわけじゃない。強いて言えば『努力すれば報われることがある』程度だ、子供に努力させようと思って大人はいい加減なこというなあ。」と憤り、その時の德永少年の心に深く刻まれたのでした。

40年以上が経っても、あの試合前の昂り、ファーストスクラムの息遣い、先制PG、スローフォワードで消えた追加点、逆転トライ、このまま負けてたまるか!というノーサイド寸前の心情、忘れようにも忘れられない、にがく辛いトラウマとなっている思い出がこのラストゲームです。

もし人生をやり直せるなら「このゲームのキックオフ」からです。

卒業して、改めてラグビーへの思いは?

高校ラグビーで目標を達成できなかったのでさらにラグビーを続けてレフェリーとして身を立てようかとも考えたのですが、冷静に考えると大したプレイヤーじゃありませんでしたし、弁護士と血縁があったことも手伝って「弁護士くらいなれるだろう」とホント浅はかな考えで、司法試験受験生活に突入します。考えが安易だったぶん、合格まで時間もかかります。ただ、そこは高校時代に痛感させられた「努力しても報われないことがある」にしたがって、試験に何度落ちても心折れることなく勉強を続け、なんとか合格にたどり着くことができました。弁護士の仕事も同じです。小説のように痛快な事件ばかりではありません。依頼者の意向に沿って全力で取り組んでも思い通りの結果にならないことも少なくないからです。うまくいかなくても諦めず努力することの重さに直面しています。

なんと高校を卒業して40年以上が経過し、今なお筑紫丘ラグビーで心に刻まれた教訓が生きていることになります。

確かに、花園には行けませんでした。しかし、筑紫丘高校ラグビーでの努力で得た教訓が60歳を過ぎた自分の中に生き続けているのは、まさに「努力が報われている」のかもしれません・・・。

とすると、先達のお言葉は正しかった、德永少年はあまりに若輩でした。筑紫丘ラグビーで「諦めずに努力すること」を骨の髄まで学ばせていただいていたのです。

“あなた”へのメッセージ

高校も部活動も自らを成長させる手段です。安穏と高校生活を送っていては成長もままならないでしょう。あなたは、自らを高める選択をするべきです。

私の経験のみならず、他の方々からの示唆を踏まえれば、筑紫丘ラグビー部を選択することこそ、自らを高めるきっかけになることがご理解いただけるはずです。自分を高めることに、ラグビーの上手下手や体の大きさは関係ありません。

ラグビーでは沢山の自己犠牲が積み重ねられてゲームが進んでいきます。社会でも重要な場面であればこそチームでの成功が求められることがあります。チームの成功には少なからずメンバーの自己犠牲が必要ですから、自己犠牲の経験を重ねたラグビー経験者が社会で重用されることに十分な根拠があります。

高校時代を導いていただいた恩師は「ラグビーをやっていれば人生間違いない」とおっしゃいます。これには到底及びませんが、人格の8割は筑紫丘高校ラグビーで培われていますので、「筑紫丘高校卒」ではなく「筑紫丘高校ラグビー部卒」を標榜しています。コスパ、タイパ全盛の世の中ですが、楽に短時間で得られたものにはそれだけの価値しかないように感じます。より一層の高校生活の充実を求めて筑紫丘ラグビー部を選択してみてはいかがでしょうか?  なにせ先達の言葉は正しいのですから。